健康コラム

脳卒中_2[脳出血]

バランスの良い食事と適度な運動を心がけましょう

「◯◯さんが脳卒中で倒れた」……この脳卒中という言葉、普段の暮らしの中でもよく耳にしますが、実は、医学用語ではありません。脳内の血管障害によって発症する脳梗塞、 脳出血(脳溢血)、くも膜下出血などを総称する一般的な用語です。今回のコラムでは脳卒中の中の脳出血に焦点を絞り、予防と対策をご紹介します。

(脳梗塞については「健康コラム」バックナンバー“脳卒中_1[脳梗塞]”をご覧ください。)

 

脳卒中は1980年頃まで死亡原因の1位を占めていましたが、医療技術の進歩や生活習慣の改善などにより、現在では全体の9.0%、114,207人にまで下がりました。ただし死亡率は下がっても患者数自体は減っていないことが報告されています。また、一命は取り留めることができても、発症後に重い障害が残るなど、現代の医学でも完治が難しい厄介な病気です。

※都道府県別の統計では長野県は全国第4位。官民一体となった啓蒙活動などによりワースト1は脱したものの、全国平均に比べるとまだかなり高い死亡率です。

 

 

      



      

 

 

脳出血(脳溢血)とは

脳出血は、脳内にある血管が何らかの原因で破れ、脳内に出血してしまう病気です。流れ出た血液により脳の内部が圧迫されるために脳機能がダメージを受け、様々な障害が発症します。出血を起こした場所や出血量により症状は異なりますが、一般的には頭痛、嘔吐、意識障害、片麻痺(半身の麻痺)、感覚障害、出血部位によっては失語症、半盲(視界の半分が見えなくなる)などの症状を引き起こします。ほとんど前触れの症状がない、もしくはあっても気ずくことが難しい病気です。

 

原因と対策

脳出血の最大の原因は高血圧です。高血圧状態が長期間続くと脳内の血管の内壁はダメージを受け、次第にもろくなって行きます。こうした状態の血管に、急激な負荷(血圧)がかかると、もろくなった血管は血圧に耐え切れず破裂し、脳出血に至ります。また動脈硬化により柔軟性が失われた血管も耐え切れず同様に脳出血を起こしやすくなります。

特に高齢の方は年齢とともに血圧が高くなりがちで、また血管も加齢により老化しているため、脳出血を発症するリスクが高いと言えます。

 

高血圧は、最高血圧が140mmHg以上、最低血圧が90mmHg以上を言います。一般に高齢者は、最高血圧が高くなり、最低血圧との差が大きくなる傾向がみられます。最高血圧が高くなるのは、老化によって血管が硬くなり(動脈硬化)、血液の流れが悪くなるためです。また血管はふくらんだり、縮んだりして血液を体内に送るのですが、その働きが弱まることも、原因に挙げられます。血圧は毎日、同じ時間帯に測り、記録しチェックするよう心がけましょう。血圧が高めの状態が続き下がらないような時には、迷わず当医院にご相談ください。COLUMN    なぜ、高齢になると血圧が高めになるの?1

 

時として便秘と脳出血とが密接に関連する場合があります。便秘がちの高齢の方がトイレから、しばらく出てこないので見に行ったら、昏倒していたというようケースも報告されています。これはトイレでいきんだことにより、脳内の血管に普段以上の血圧(負荷)が急激にかったことが原因と考えられます。トイレ以外でも、熱いお風呂にいきなり入ったりすると、筋肉が一気に収縮し血管を押し縮め、血圧が急上昇し脳出血を引き起こすこともあります。同様に、お風呂から出た時に浴室と脱衣場の室温の差が要因となる場合もあります。寒い冬のトイレやお風呂は、高齢者の方には要注意な場所と言えます。COLUMN    便秘と脳出血は関連がある?2

 

一旦発症してしまうと、様々な障害が残るなど完治が難しい脳出血は、発症しないように事前に予防することが最善の対策です。そして、異変を感じたらいち早く受診し、医師の指示に従いましょう。

 

高血圧にならないために生活改善を!

脳出血の予防は最大の原因である血圧を正常に保つことです。そのために、バランスのよい食事を心がけ、生活習慣を再点検し、改善に努めましょう。

 

❶バランスの良い食事・塩分は控える…塩分は1日10g以下に。漬物や塩辛いものは控えめに。・飲酒も控え目に…アルコールには血圧を上昇をさせる機能があります。個人差はありますが、飲み過ぎには注意し、週に2日は休肝日を。・便秘になりにくい食事を…食物繊維を多く含む野菜、海藻、豆類などを多く摂るように心がけましょう。食物繊維はコレステロールの吸収を抑える効果があることが分かっています。・肉を控えて青魚を…イワシやサンマ、サバなど背の青い魚は善玉コレステロールを増やし、血流を確保し、血管の劣化を抑止する効果があると言われています。・緑黄色野菜や果物を…緑黄色野菜や果物を毎日食べるよう心がけましょう ❷喫煙は控えるタバコを吸うと血管が急激に収縮し、血流を悪くするため血圧を高めてしまいます。できる限りタバコは控えましょう。 ❸適度な運動を適度な運動は血流を改善し、動脈硬化を抑止する効果が期待できます。急な運動は血圧を一時的に高めることになりますので、ウォーキングから始めましょう。● 1日の歩行数の目安:  男性9,200歩、女性8,300歩● 70歳以上の高齢者なら: 男性6,700歩、女性5,900歩を目標に 

 

もし脳出血で倒れてしまったら

脳出血で倒れると、意識障害や呼吸障害を起こすことが多く、嘔吐を伴うこともあります。その場合、吐物によって窒息しないよう、顔と体を横にして誤飲を防ぎます。また気道を確保するために頭部を後屈させて下あごを持ち上げ、口が開くような処置を施し、救急車を待ちましょう。

 

 

まとめ

脳出血は原因を取り除くことで、ある程度予防することができる病気です。最大の予防は、野菜やくだもの、青魚を食べて健康的な生活を送ることがポイントです。また日頃から血圧をチェックし、かかりつけ医の指導を受けましょう。

脳卒中に関わるご相談、および発症後のリハビリなどについても当医院にお気軽にご相談ください。